大相撲中継が「スター主義」化している2017-05-19

 稀勢の里で相撲ブームが爆発してから、NHKの相撲中継が「スター主義」に堕しつつある。これまでは、優勝争いの直前ぐらいになるまでは、地味な力士同士の取り組みでも、その力士たちについてアナウンサーと解説があれこれと話を展開させていた。そこには、相撲中継についてのプロ意識があった。
 だが今は、序盤戦から注目力士の話題ばかり。地味な力士同士の対戦になると、控えにいる注目力士にスポットを当て、同じ予想、同じ話を繰り返す。地味な力士たちの無視される度合いがひどくなっている。
 勝ち馬に乗れ、と促すようなこのあり方、もうほんと、ウンザリ。ブームの観客が勝ち馬に乗るように、土足で土俵を踏みにじっていくようなありさまは、この中継の仕方にも原因がある。
 一昨日3日目の相撲、白鵬対千代翔馬戦で、仕切りのときに両者が呼吸を合わせあってなかなか立てずにいた時、立ちそうで立たなかった瞬間、館内がどよめいた。それで集中を乱された白鵬が、仕切り直しを求めた。こういうとき、館内がどよめいてはいけないのだけど(そしてこれまでなら実際に皆どよめくことなくかたずを呑んで見守っていたけれど)、今の館内はこういうことで簡単にどよめいてしまう。
 呆れたのは、アナウンサーと解説が、白鵬が神経質になっている、みたいなことを言ったことだ。たぶん、あの状況なら、たいていの力士が仕切り直しを求めるだろう。
 こういう物語の作り方は、やがて相撲を衰退させる。スター主義に頼ったら、地道なファンは育たなくなる。相撲の将来を食いつぶすような真似は、NHKはすべきではない。


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